2012年10月3日水曜日

バッテリの作業を体験!


今日は、「バッテリ作業に興味がある!」という1年生に私がやっている普段の作業を体験してもらいました。

今日の作業は「直列接続のバッテリパックを並列接続にする」というものです。



夏休み中にバッテリセル計測システムの開発で使うために直列接続にしたのですが、
セルの電圧がばらついてしまったので全てを並列接続にして起電力を再び揃えます。


バッテリパック同士を締結しているボルトを緩める。

ワッシャが入ってる方の工具を回転させる。(銅電極に傷がつく為)

銅電極の酸化膜をドーブライト(Sunhayato)で除去し、
ドーブライト成分と指紋などをエタノールと紙ウエスで吸収します。

バッテリパックを並列接続にします。
バッテリパックを並列にする前に確認する点が2つあります。

①並列接続前に、全てのパックの電圧を測定をする。
並列にするパックに起電力の差があると、バッテリでバッテリを充電してしまうことになります。
バッテリ対バッテリの充電は電流を制限できないので、バッテリパックを痛めるケースがあります。
なるべくそのようなことがないように、並列接続するときは、電圧の同じパック同士にします。
電圧が異なっている場合は、補充電を行ったり、少し放電させたりします。


②並列接続前に、全てのパックの極の方向を確認する。
並列接続のうちのひとつでも極(正極・負極)が逆になっていた場合、並列接続したとたんに大きな短絡事故になります。
周りのセルから、極の逆になったセルに向かってとてつもない電流が流れ込むことになります。

ここで、注目して欲しいのはバッテリユニットの蓄電容量(エネルギー量)です。
約2.5[kWh]=9[MJ]のエネルギーを一度に放電するということを考えるととても恐ろしいです。




さて、上記に注意しながら作業をすすめて並列接続が完了しました。


並列接続の状態で一晩(8h)くらい放置してあげると、だいたい全てのセルの起電力が揃います。
セルの起電力のばらつきが大きい場合は、もうすこし長い時間が必要です。
これを私たちは「起電力ならし」といっています。

この後は、すこし補充電をして、再び直列接続にして放電特性の測定を行っていこうと思います。





電圧の見えていない1年生達にいきなり直列セルを扱うのは、
感電事故の危険性があるので怖かったのですが、作業中の注意をしっかりきいてくれたので無事故でバッテリ作業を終えることが出来ました。

3EE 浅野

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