2012年12月14日金曜日

大学コンソーシアム八王子

 12月8日に八王子学園都市センターにて行われた、大学コンソーシアム八王子を見に行きました。

そこで、1年間の活動などについて福所先輩と南先輩が発表しました。
真剣に発表している姿はとてもかっこよかったです。

ソーラーカー以外にも多くのプロジェクトや大学の皆さんも発表をしていました。
とても勉強になりました。

1年 福本

2012年11月11日日曜日

第4回体験入学のサポートスタッフ


第4回体験入学「ミニチュアソーラーカーの製作」が土曜日に行われました。

ミニチュアソーラーカー(見本)
講師は、電気工学科の山下(幸)先生が、
サポートスタッフは、私たちソーラーカープロジェクトの学生7名で行いました。


ソーラーカーについての講義

ソーラーカーSALESIOの仕組みや、
電気自動車に特有の回生ブレーキなどについて講義しました。


さて、講義のあとはいよいよ製作に入ります!


ゆるみ止めのスプリングワッシャやナイロンナット、
あまり聞いたこともない部品もあったと思います。
ハンダ付け作業も、ハンダ付けのコツなども教えながら進めていきました。

この製作を通して、すこしでも勉強になればいいなと思います。

ミニチュアソーラーカーを製作中

そして、製作が終了して動作試験をクリアした子から、外でバス型ソーラーカーCATの運転体験をしました。

CATでは沢山人数がのっても、400~800[W]で動くということで、電気エネルギーを体験して頂けたでしょうか?
(SALESIOでは、もっともっと小さなエネルギーでスイスイ動きます。)

バス型ソーラーカー(CAT)の運転体験


来年度もミニチュアソーラーカー製作の体験入学が開講される予定ですので、
中学生のみなさんお待ちしています!

今日はありがとうございました。

3EE 浅野

2012年11月5日月曜日

育英祭2012

11月3,4日に育英祭がありました。


ソーラーカープロジェクトでは、NEOとCATの体験乗車、SALESIOの走行とタイヤ交換のデモンストレーション、活動報告のパネルの展示に加え、今年度はカーボンで作ったキーホルダーとプレートの販売などを行いました。


カーボンのキーホルダーとプレートは大変好評でほとんど完売しました。

体験乗車は1日目、NEOが走行中に故障してしまい、急遽CATのみとなりましたが、幸いけが人などが出なかったので良かったです。


CATの体験乗車は私も何度か運転したのですが、人を乗せて運転するのは初めてだったので緊張しました。

ご来校いただいた皆さんありがとうございました。

今後の予定としてはNEOの修理と、今週末には2回目の体験入学、来月には大学コンソーシアム八王子などがあるのでそちらも頑張りたいです。


1年佐藤、4EE井藤

2012年10月30日火曜日

育英祭が近くなってきました

近頃あまり更新できていないですが、みんな作業しています


育英祭に向けて、体験試乗用にNEOの調整や、活動を報告するための展示用パネルの作成など、文化祭の準備をしていたり、年度末に行われる大学コンソーシアム八王子への提出書類など、それぞれのイベントにむけて準備を進めています。

その他は、11月3,4日に開催される育英祭で販売するカーボンのキーホルダーを作っています。値段は200~300円ほどになると思います。

他にも下敷きを作っています。

ちなみに平板から切り出しているので、他の形もつくれますよ。
これがほしい!というものがあれば言っていただければ作れるかもしれません・・・・


サレジオ高専の育英祭は11月3・4日です。ぜひ来てくださいね!


4EE 井藤

2012年10月17日水曜日

バッテリの充電と電装部品の抵抗測定

今日はCATのバッテリの充電とSALESIOの電装に使っている配線などの抵抗を計測しました。

CATのバッテリは鉛バッテリを使用しています。
それぞれの電圧が揃っていなかったので、バッテリを並列に繋いで充電をすることになりました。
バッテリの充電の様子

バッテリを繋ぐ配線の仕方や、鉛バッテリの定格容量から充電する電圧や電流を計算で出す方法を先輩に教わりながら、1年生で充電をしました。
1年生のほとんどがバッテリの充電をするのは始めてだったので、とても勉強になりました。

あとSALESIOの電装に使っている配線などの抵抗値を計測し、改良によって抵抗値がどのくらい変化したかを調べました。
抵抗値計測の様子
こっちは先輩方と一緒に計測をしたのですが、計測器の使い方や抵抗の出しかたなども教えていただきました。

今日学んだ知識を生かしてこれからも頑張っていきたいです。

1年 佐藤

2012年10月9日火曜日

電装ボックスのLアングルの加工

今日は、カーボンでできた電装ボックスとフタを固定するための、
Lアングル部品を加工しました。
このLアングルにもカーボンを使用しているため、加工が難しくなります。


カーボン製Lアングル


まず、Lアングルの幅が15mmになるように測定し、
バンドソーを使って直線状に、慎重にカットしていきます。
カットするときは、非常に細かくなったカーボンが粉のように舞い上げてしまうので、
マスクをして作業をします。

次に、角を45°にカットします。
Lアングル同士を直角に合わせた時、ぴったり合うようにするためです。

最後の仕上げに、切り口にできてしまったバリ(カーボンの繊維)をやすりで削ります。


このようにして、長さの違うLアングルを4つ作りました。
カーボンをカットするのは、粉が舞ったりバリができてしまったりと大変でしたが、
この調子で行けば上手に出来そうです。


1年 中村

2012年10月6日土曜日

NEOの補充電


'94~'96に活躍していた育英高専時代のソーラーカー"NEO"は17年が経過した現在、ソーラーパネルで発電することができません。

その為、走行前にバッテリを商用電源より直流安定化電源を介して充電しています。

つまり、現在は電気自動車として再び活躍しています。

NEOの充電風景


今日はNEOのバッテリの補充電を行いました。

現在NEOで使用しているバッテリはNEO2で使用していたLi-ionバッテリです。
NEOが活躍していた頃('94~'95)は鉛バッテリを使っていました。

28直列のセルなので充電電圧は4.2[V]×28(直列)=117.6[V]ですが、
直列セルに均等に電圧がかかる保証はありません。
その為十分な過充電防止マージンをとって110.0[V]としています。

電流も並列セルに均等に電流が流れる保証がない事、
安定化電源の電力リミッタの関係で8.0[A]としました。

デジタルマルチメータと安定化電源




今日の工夫点。

まずは、コードリールの正しい使い方ですが、「NEOの充電風景」の写真のようにすべてのばして使います。
特にNEOの充電のような大電力を扱う場合は、ケーブルの発熱量が大きいので火災防止のためにもこのように使います。



あとは、コードリールの周辺で2~3回転のわっかをつくること
コードリールの周辺でわっかをつくる。

コンセントの部分でも2~3回転のわっかをつくること
コンセントの周辺でわっかをつくる
このようにわっかをつくっておくと、もし途中で誰かが躓いても、わっかの部分で相殺されるので配線が抜けたり緩んだりすることを防止できるのです。



3EE 浅野





2012年10月3日水曜日

バッテリの作業を体験!


今日は、「バッテリ作業に興味がある!」という1年生に私がやっている普段の作業を体験してもらいました。

今日の作業は「直列接続のバッテリパックを並列接続にする」というものです。



夏休み中にバッテリセル計測システムの開発で使うために直列接続にしたのですが、
セルの電圧がばらついてしまったので全てを並列接続にして起電力を再び揃えます。


バッテリパック同士を締結しているボルトを緩める。

ワッシャが入ってる方の工具を回転させる。(銅電極に傷がつく為)

銅電極の酸化膜をドーブライト(Sunhayato)で除去し、
ドーブライト成分と指紋などをエタノールと紙ウエスで吸収します。

バッテリパックを並列接続にします。
バッテリパックを並列にする前に確認する点が2つあります。

①並列接続前に、全てのパックの電圧を測定をする。
並列にするパックに起電力の差があると、バッテリでバッテリを充電してしまうことになります。
バッテリ対バッテリの充電は電流を制限できないので、バッテリパックを痛めるケースがあります。
なるべくそのようなことがないように、並列接続するときは、電圧の同じパック同士にします。
電圧が異なっている場合は、補充電を行ったり、少し放電させたりします。


②並列接続前に、全てのパックの極の方向を確認する。
並列接続のうちのひとつでも極(正極・負極)が逆になっていた場合、並列接続したとたんに大きな短絡事故になります。
周りのセルから、極の逆になったセルに向かってとてつもない電流が流れ込むことになります。

ここで、注目して欲しいのはバッテリユニットの蓄電容量(エネルギー量)です。
約2.5[kWh]=9[MJ]のエネルギーを一度に放電するということを考えるととても恐ろしいです。




さて、上記に注意しながら作業をすすめて並列接続が完了しました。


並列接続の状態で一晩(8h)くらい放置してあげると、だいたい全てのセルの起電力が揃います。
セルの起電力のばらつきが大きい場合は、もうすこし長い時間が必要です。
これを私たちは「起電力ならし」といっています。

この後は、すこし補充電をして、再び直列接続にして放電特性の測定を行っていこうと思います。





電圧の見えていない1年生達にいきなり直列セルを扱うのは、
感電事故の危険性があるので怖かったのですが、作業中の注意をしっかりきいてくれたので無事故でバッテリ作業を終えることが出来ました。

3EE 浅野

2012年9月26日水曜日

CATの修理

20~25日にかけてCATの修理をしました。

CATは文化祭で試乗を行うのですが、ギアボックスとシャーシを繋いでいる部品が劣化湾曲し地面を擦ってしまっていたのでその修理をしました。

ギアボックスとシャーシを繋いでいる部品


部品は溶接で曲がったところを直し、補強を入れました。

1年生は初めてアーク溶接とアセチレンガス溶接を体験しました。
特にアーク溶接はアークを出すのが難しくて、なかなか上手くいきませんでした。
しかし、CATの解体や溶接などは普段したことがなかったのでとても楽しかったです。


溶接している様子

予定では2日で終わる予定でしたが、他にも修理する箇所が見つかったので時間がかかってしまいました。

これで文化祭での走行も出来るようになったのでよかったです。


1年 佐藤

2012年9月8日土曜日

体験入学のサポートスタッフ


今日は体験入学の講座「ミニチュアソーラーカーの製作」のサポートスタッフをしました。

斉藤先生がソーラーカーの電装システムやエネルギーの使い方について講義を行った後、ミニチュアソーラーカーの製作を開始しました。
体験入学の様子

製作は、先生とプロジェクトメンバー6人でサポートしました。

工程の中では少し難易度の高い箇所もありましたが、とても楽しそうに作っていました。

完成した子から動作確認をして、昔のソーラーカー「NEO」に試乗してもらいました。



私は上手く教えること出来なかったり、説明に時間がかかってしまったりしたので、今回の反省点を考え、先輩方のようにしっかりと教えられるようになりたいです。


1年 佐藤

2012年9月4日火曜日

NEOの整備

今週末の中学生対象の体験入学で過去のソーラーカーである『NEO』の試乗を行います。
NEOは1994年に作られたソーラーカーで、今はレースでは使わず体験入学や文化祭で試乗をするための車体となりました。
NEO
今日は今週末の体験入学のために整備を行いました。

先輩がタイヤの空気を入れ、私はタイヤのネジの増し締めと車体の掃除をしました。
NEOはSALESIOと違うところがたくさんあり、今まで作業をほとんどしたことがなかったので、先輩からNEOについて教えていただき、実際に自分でも作業してみてとても楽しかったです。



1年 佐藤


2012年8月30日木曜日

ステッカー完成

前に紹介した、電装ボックスのステッカーが昨日完成しました。

校是の他にプロジェクトメンバーの名前と、ソーラーカーのロゴを入れました。

メンバーの名前

電装ボックスのステッカー

カーボンはステッカーがなかなか貼り付かなくて難しいのですが、細かいところは手作業で調整して作りました。
特にロゴの先の細い線や、名前の『i』のドットなどは難しかったです。

他の先輩方はそれぞれ後期にやることが決まっているので、1年生も作業について教えてもらい頑張っています。


1年 佐藤、中村


2012年8月28日火曜日

小学生向けのサマースクール

今日は小山ヶ丘小学校と小山中央小学校の小学生を対象に電気についてのサマースクールを行いました。

初めに「電気とは何か・生活の中でどのように使われているのか」という内容について、電気工学科の斉藤先生がパワーポイントを使った講義をしました。
講義の間、小学生の皆さんからいろいろな質問が出たりと、楽しい雰囲気でした。




講義の後には実際に電動カートを運転してもらう体験を行いました。
コースは、学校内の敷地を使った特設オーバルコースです。
途中でちょっとしたハプニングもありましたが、皆さん楽しそうにカートを運転していました。

小学生の皆さんはしっかり話を聞いてくれて、サポートの私達もよかったです。

1年 中村

2012年8月24日金曜日

2012 W.G.C. Solar & FC Car Rallyeに参戦しました

 2012 W.G.C. Solar & FC Car Rallyeに参戦しました

※本来学校のホームページにアップする内容の記事ですが、学校サーバーのメンテナンスの関係上更新ができないので、一時的にブログの方に記載します。

7月29日~31日まで秋田の大潟村ソーラースポーツラインにて行われた3日間のレースに参戦しました。

ソーラースポーツラインとは、1周が25kmの直線が主な細長い形のコースで、世界唯一のソーラーカー専用の周回コースです。今年度は大会が20周年記念ということで、歴代のソーラーカーの展示が行われたり、ソーラーカーバイシクルもレースに同日参加しました。大会の形式は3日間で5時間,11時間,8時間の合計24時間で行われた耐久レースに加えて、各日ごとに前日までに申請する周回数とタイムとの実際の走行と差を競うグリーンラリーも行われました。


今年度はソーラーカーの"電装システムの構成"と"計測システム"を一新して大会に望みました。
 

 従来はパネルから車体に配線がぶら下がるように設置されていたものを主要部分の配電と、計測器や灯火類などに使う12V系を一つにまとめたユニットにしました。

ユニット化したことにより容易に車体から電装系ユニットを取り外せる事ができるようにしました。
これにより、充電時の配線長の短縮による損失の低減と、車体メンテナンスをしやすくするねらいがあります。



 ドライバーは吉田(5EE)、赤坂(5EE)、佐藤(4ME)、斉藤先生の4人でレースに挑戦します。
これまでに何年も運転してきた専攻科の先輩が卒業してしまったので、運転経験があるドライバーは吉田と斉藤先生のみです。


7月27日【会場到着】

 夜になって宿泊所の最寄駅に到着し、その足ですぐに会場に向かいました。 トラックから必要な荷物を降ろしてピットを設営し、ソーラーカーの作業に取り掛かります。主に行う作業は電装系で、ユニットごとに配線を完了させてきたので計測器を組み込むとともに車両に搭載する作業を進めます。

各部をテスターで点検して緊張しながら電源投入をするものの、12V系に不具合が発生し、モータも回転しないことが発覚しました。この日は夜を徹して問題解決のために作業を続行しました。


7月28日【入村手続・車両整備・車検】

  夜が明けても問題が解決できませんでした。眠い目をこすりながら配線図と実物とを繰り返し見比べます。モータが回転しない問題については操作信号系のコネクタへの配線ミスが判明。信号系を集合しているターミナルユニット内で配線を間違えていることが原因でした。

車検については電源を入れて自走する必要がある項目以外はチェックを受けて仮合格をもらいました。夜には下級生が中心の後発隊と合流し、レースに向けたピットでの生活環境の準備をはじめました。担当者は引き続きピットに泊まり込みで作業を続行します。


7月29日【レース1日目(14:00~19:00)】

 徹夜で作業したものの12V系の問題が解決しないままレース日を迎えることになってしまいました。昨日未検査だった箇所の車検は早朝に自走でのブレーキテストを受け、車検合格をもらいました。

 第一ドライバーは運転経験のある吉田で、 車両の走行能力の確認をするためにまずは
無理をせずで1周のみ周回しました。

走行した結果、機械部分については特に問題はなく、電装系の問題さえ解決すれば問題なく全力の走行が可能であることが確認できました。

2周目に入るところでピットインし、電装システムを車両から取り外してテスターを手に原因究明に取り組みました。結果、DCDCコンバータの固定方法による漏電と、入力部の回路構成に問題点があることが分かり、すぐさま対策をして解決することができました。 しかしこの時点でかなりの時間を浪費してしまっていたので、この日はドライバーの練習日と割り切ることに決めて、今年が初運転となる赤坂がドライバーとして乗り込みました。

 再スタートしてシステム全体が機能して走行ができることを確認することができたものの、今度はブレーキランプが付きっぱなしになってしまうという問題が発生しました。マーシャルに指摘される前に自発的にピットインして問題の確認作業を再開しました。
灯火系の配線をシャーシ側とカウル側を必死に追いかけているうちに、モータの時と同じ信号系集合部での配線ミスであることが判明しました。残念ながらこれを対策するうちに走行時間が終了してしまいました。少しでも多く走らせられればと思いましたが、2日目からは完全な状態で走行することができるように念には念を入れた確認・修復作業に徹しました。

システムをくみ上げて全体を機能させることを難しさ、特に初歩的なミスが結果として全体のシステムを動かすことができない事態を招くということを実体験し、非常に悔しい思いをした一日でした。


7月30日【レース2日目(8:00~19:00)】

 2日目は電装系の問題も全て解決し、遅ればせながらもレースをする体制が整いました。機械系、電装系の状態を確認するため、第一ドライバーは斉藤先生。太陽電池による発電量の様子を見ながら32分台でラップを繰り返します。
 機械系・電装系ともに快調であることが確認でき、第二ドライバーとして赤坂が乗車しました。初めての運転で戸惑いながらもほぼ走行計画通りの32~34分で走行することができました。 天候も晴れており発電も良好なことにより、速度を下げずに走行できました。この走行速度だと、バッテリからの持ち出し電力を事前に測定した放電特性と同条件にすることができ計画通りにレースを展開することができます。
 赤坂が5周したところでドライバーチェンジしました。第三ドライバーは初走行の佐藤です。初走行なので慎重に運転します。とにかく運転に慣れることを優先してラップタイムも抑え気味の39分台で走行しました。走行計画よりも若干遅れてきていますが、バッテリの残量は十分に温存できています。

 第四ドライバーは吉田です。この時点で先行するチームとの周回差は1周遅れていますが、無理にペースを上げても消費エネルギーが増えるだけなので40分台にまでペースを下げて走行を続けます。今日中に先行チームと同周回になるために、次の周回に入ることができなくなる18時直前に滑り込みで次の周回に入ることができ、追加で"+1周"をすることができました。


 
 ドライバーは連続3時間以上の運転が認められていないので、最終ラップは再びドライバーチェンジをして斉藤先生が乗車。 エネルギー消費を最小に抑え、1周だけ周回して戻ってきました。戻ってくるころには太陽はほぼ沈んでいたために夕方は充電せずにこの日の走行を終了しました。


 1日目を走行できなかったハンディはまだありますがその分バッテリの残量があります。なんとか先行するチームと同一周回になることができましたが、オーバータイムポイントによって順位は下なので最終日にはペースを上げて一周以上早く走る必要がありました。


7月31日【レース3日目(8:00~19:00)】

 最終日ということでバッテリ残量を全て使いきって順位を一つでもあげたいところです。そのためには朝の充電も重要なので、5時前の段階で充電準備を完了して一分一秒を惜しんで充電しました。その甲斐あって、スタートの時点では7割程度から8割程度にまで残量を戻すことができました。

 午前中は予想外な事に他チームのラップタイムが伸びない中、 とにかく先行チームを追い抜いて周回遅れにするために手堅く32分台で走行しました。結果、ドライバーチェンジ直前の5周目の最後にようやく先行チームを追い抜くことができピットイン。ピットイン作業でのタイムロスも最小限に抑え、第二ドライバーの赤坂がスタート。この時点で順位は入れ替わっており、抜かれさえしなければ順位は勝っています。周囲のチームのペースも上がってこない状況なのでここでペースを抑えて後半戦に備えました。
 2日目に比べて発電量が少ないなかでもドライバーが無駄のない走りに専念してくれたおかげでバッテリ残量も温存することができました。残り3時間の時点でゴールまでの予想発電量とバッテリ残量から試算した結果、これまでよりも4分近く早いタイムで走行が可能であると確信がありました。なので、最終ドライバーの吉田はこれまで温存してきたエネルギーを全て使い尽くしてゴールすようにペースを上げて走行しました。なかには、ファステストラップに3秒及ばないものの26分55秒で周回することもできました。

最終周では時間を調整をし、申告タイムに"+3.882秒"でゴールラインを通過。終わってみればこの日の全チームの中で最多周回数の14周を走ることができました。

3日間の合計周回数はを含め32周※、総合順位6位、アドベンチャークラスで3位、3日目のグリーンラリー部門では優勝という結果を収めることができました。

※実際は33周ですが、出場したアドベンチャークラスではクラス間での性能差調整のため規程により実際の周回から-1周されることになっています。

 今回の大会を終えて、不安だらけのスタートだったので無事に走り切れて安堵しましたが、それ以上に大会以前にソーラーカーを完成させて十分な準備をすることができなかった事に悔しさを感じています。特に同クラスの2位のチームとのラップ差は2周で、もし1日目に走行できていたかと考えると1日目のロスが悔やまれます。 また、メンバーの時間に関する危機感の低さなど、以前から指摘されていた個所が大会の1日目の大きなロスとして現れたようにも思います。作業以外にも課題は再確認できたように思います。

これからは太陽電池の発電量が初期性能から2割以上も落ちてきていることからどこまで周回数を伸ばすことができるかはわかりませんが、今後も少しでも成績を伸ばしていきたいと思います。また、チーム運営の年間を通しての活動方法も見直して組織力を高めていきたいと思います。

2012年8月23日木曜日

D-subコネクタ作りの例


今回は、バッテリセル計測システムで使用する計測器をつくる課程の一部の紹介と、
D-subコネクタのハンダ付けの例としての記事を書きたいと思います。



まずは、D-sub(ディー サブ)コネクタとはなんなのかを簡単に説明します。

D-subコネクタ

私の近くにあったD-subコネクタを集めてみました。
身近なところでは、PCにあるかもしれません。
最近のPCにはなくなってきているようですが、PCのディスプレイ(アナログ)のコネクタであったり、COMポート(RS232C)のコネクタであったりしました。

このD-subコネクタは、汎用性が高く、値段も安価なため本校のソーラーカーでも多用しています。
スロットル信号や回生ブレーキ信号、スイッチ、ディスプレイなど・・・・
写真右下のD-sub 37pinはMITSUBAさんのモータコントローラの信号入出力などで使っています。
D-subコネクタは主に通信・信号線用のコネクタです。なので大きな電流を流す用途には向きません。


ピンの数は、9pinからはじまり、15,25,37,50pinがあり、
高密度型はメーカにまちまちのようですが、15,26,29,44,50,51,62,75,78,100pinなどがあります。

高密度型とは、ピンの配置が3列になって、9pinと同じ大きさのコネクタで15pinというようにコネクタの大きさがそのままで極数が多くなります。


今回は、高密度型の15pinをハンダ付けする工程をご紹介します。

16芯シールド線

今回の配線には、16芯のシールド線を用います。

シールド線はノイズ対策に優れたケーブルです。
導体(電気を通す)のシールド部分があって、その内側を信号線が通っています。
シールドを計測システムのグランド(アース)に落として(繋いで)おくと、ケーブルの外から飛んでくるノイズがシールドによって遮蔽されて、内側の計測信号線にはノイズが乗らない仕組みです。
これとは逆に高い周波数の信号をノイズとして外部に漏れさせないような用途にも使われます。



1.外側のシースを剥く。
カッターなどでシールドに傷を付けないように剥きます。

D-subコネクタカバーなどに入れるときの適当な長さにします。
長すぎると、カバーに収まらなかったりするので注意が必要です。
今回は、9pinのカバーを少し改造して使っているのでキツキツです。

ニッケルメッキのD-sub9pin用カバー


カバーですが、シールド線を使うためEMI対策用のニッケルメッキが施されている物を使いました。
キラキラしているのが特徴で、テスター等であたると導通します。

2.シールド線のシールドとカバーを接触させる。
カバーによっていろいろな接触方法があるのですが、
今回のタイプだとシールド部分をシースの方に折り返して(反転させて)、その部分に抜け止めの金具を挟みました。金具は自然にカバーと接触します。(念のためテスターで導通チェックもしました。)

あとは、余分なシールド部分はカットして綺麗にします。


3.配線を剥いて、ハンダあげ。
配線は3[mm]くらい剥いて撚って、ハンダあげ(予備ハンダ)します。
配線によっては、はんだごての熱で被覆が縮む物もあるので、短い時間で導線にハンダが浸透するようにすることが重要です。
導線が長すぎる状態でD-subにハンダ付けすると、隣のピンと接触してショートする事もあるので長すぎの時は切りましょう。


4.D-subコネクタに予備ハンダ。
D-subコネクタに予備ハンダをします。
(左)予備ハンダしたD-sub15pin (右)新品のD-sub37pin

比較の写真です。
右側のコネクタは新品の状態、左型のコネクタは予備ハンダをした写真です。
結構多めに盛っておいた方が、配線を付けるときにハンダ線を持たずにこのままハンダ付け出来ます。
ハンダの時間は最短でお願いします。
そうしないと、フラックス(やに)が蒸発してしまい、配線が思うようにつきません。
また、熱によってD-subコネクタは溶けてしまいます。


これらの作業、コネクタを固定しておくと楽です。
私は、クリップで挟んだり、小さな万力を使ったりします。


5.熱収縮チューブを用意
高密度型のD-subはそのままハンダ付けして使用していると、隣のピンと接触する可能性があります。

今回は、バッテリボックスのセルの電圧を測るためのD-subコネクタなので、セルをショートさせるようなことがあってはいけません。

そういうときには熱収縮チューブを使います。
熱収縮チューブは熱をかけると、直径が半分以下に縮むチューブです。
長さはほとんど変化しません。
ヒートガンやはんだごての熱で収縮させます。

熱収縮チューブ

私は、φ1.5の熱収縮チューブをこのようにカットして工具箱に忍ばしています。

そして、ハンダ付けする配線に通して、ハンダ付けをします。


6.配線をハンダ付け。
ハンダ付けする前に、熱収縮チューブが通っているか確認してください。
そして、熱収縮チューブは、ハンダ付け時に配線を伝わってくる熱で収縮するので、ハンダ箇所から遠くに離してください。

配線とD-subのそれぞれの予備ハンダを両方ともすべて溶かして、導線をD-subに押し込んでハンダ付けという感じでしょうか。
両方とも全て溶かすところが重要です。
中途半端に溶けたところ同士をハンダ付けすると、つかっているうちにハンダが割れて、配線がはずれてしまいます。

D-sub15pinにハンダ付け


D-sub高密度型は写真のようにセンターからハンダ付けします。


D-sub15pinにハンダ付け完了

シールド線は16芯で1本余ります。思わぬ所でショートしないようにこれにも熱収縮をかけて、絶縁処理します。

ちなみに、配線の色とピンですが、これはおおよそカラーコードに従った方が配線もしやすいです。
例として今回の色とピンアサインを載せておきます。

1pinは茶,2pinは赤,3pinは橙・・・・9pinは白。(10pinに黒を普通は入れますが、)
今回は、10pinにはライトグリーンをいれて、
11~13pinで白赤,白黄,白緑などの2色のもの、14pinでライトブルー、
そして、15pinは一番電位が低いので、黒としました。


7.配線を確認し、熱収縮。
全部ハンダ付けがおわったら、熱収縮チューブをハンダ付け箇所に被してみます。
ここで、配線のピンアサインを配線図やテスターを用いて確認して、完璧だったら収縮させます。

高密度型は、はじめに中央の列の収縮して、次に外側の列を収縮させます。


8.カバーに挿入、完成。

D-sub15pinとコネクタカバー

カバーに入れるとこんな感じです。(写真では配線未チェックのため、まだ収縮していません。)


16chMUXとD-sub15pin

16チャネルマルチプレクサユニット(Agilent 34902A)と、つくったD-sub15pinを接続して完成です。





ちなみに・・・
バッテリ関係の作業は、ひとつひとつ確実に行わなければ大きな事故につながります。
隣り合わせのピンでショートしていないかなどを調べてからでなければ危険なので使用できません。
新しくつくったものは、バッテリボックスとの接続前に全てのピンの導通を確認します。


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読みにくい点、疑問点などはお気軽にコメント欄へよろしくお願いします。

3EE 浅野