2012年7月16日月曜日

Li-ionバッテリのセル計測システムについて

Li-ionバッテリのセル計測システムについて

23年度の下半期より導入したLi-ionバッテリのセル計測システムについてご紹介します。


バッテリセル計測システム システム概要図


バッテリセル計測システムは、バッテリユニットの充放電特性試験の際に、バッテリセルの各端子電圧をマルチプレクサ(MUX)とデジタルマルチメータ(DMM)を用いて測定、メインプログラム(LabVIEW)にて記録することで、バッテリセルのあらゆる計測を可能にするシステムです。


以前は、手計測や自作マルチプレクサを用いて測定を行っていました。
14セルの端子電圧を手計測で行うには、限界がありますし、データに同期性がありません。
自作マルチプレクサによる方法では、リレーのノイズが計測値にのってしまう、
開閉のタイミングがズレてセルを短絡させてしまうなど、測定は難しいものでした。


そこで、信頼性の高い計測器として、
データ収集/データロガー・スイッチ・ユニット(34972A/Agilent)を導入することで、
確実な計測を行うことが出来るようになりました。


2012.06.28 充電特性試験中の端子電圧のモニタリング



'11バッテリセル計測システム フロントパネル(LabVIEW)



1秒毎の電流測定・バッテリセルの電圧測定、記録、監視、異常電圧の警告、積算電力量計算を行っています。
これらのデータは、バッテリユニットを構成する際のデータとして活用しています。



また、この計測システムを導入してから分かったことがあります。
バッテリユニットの空冷ファンが冷却ムラを生じさせる場所についており、
セルの温度差異によって積算電力量に差が生じたり、セルバランスを悪化させたりするのかもしれないということが分かってきました。

そこで、フィルム状のサーミスタを用いた温度分布の計測システムも追加してさらに追求していく予定です。



最近の放電特性試験の様子です。



2012.07.14 本戦バッテリボックス  8h放電特性試験


本戦バッテリユニットに構成するパックがほぼ決定したので、レースを想定した8時間率(0.125[C-rate])の定電流放電特性試験を行いました。


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3EE 浅野

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